三度目の指づめ


「なっ、なんで、あたしが…」


体中がザワザワする。
そんなquestionだけが止まないどしゃ降りみたく降り注いだ。

信じられない。
信じたくない。
認めたくない。
塞ぎ込む悪夢。
悪い夢だと、悪い冗談だと、笑って言って貰いたい。



「ここ最近に、注射などのしました?!」




静かに首を振る。




「じゃあ、注射器の打ち回しは??」




静かに首を振る。



深いため息がひとつ聞こえた。

「では…考えられるのは、セックスでの感染ですね。最近、関係を持った人とかいますか??」




フリーズした。


そぅ。
忘れもしない。
出来事が…脳裏に浮かぶ。
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