三度目の指づめ


事の発端はほんの些細な出来事だった。
何処にでもありふれた出会い。

そぅ、神様の悪戯だった。


その日あたしは…准の変わりに店に出ていた。
准は知り合いの結婚式に参加するために昨晩から遠征していた。
店には、あたしと霧乃MASTERと2つ上の店員がちらほら居る程度で、目立って賑わいもなぃ店内に昼の心地好いそよ風が来店していた。

クィックィッと流れ作業の様に横から渡されるグラスを丁寧に拭く。
指紋ひとつ付けられない。

まだ、未熟者のあたしゎ、酒何か触らせて貰えない。
精々、荒い者と掃除と愛想笑いがあたしの仕事内容だった。


そんな時、アイツは来店した。
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