三度目の指づめ
それは、紛れもない兄だからかも知れない。
兄は昔から…強情で片意地だった。
典型的B型で…『空気を読めよ』が口癖だ。
1番に自分を見直せと一発嚼ましてゃりたい程だ。
しかし、あたしは何故か…兄を前にするとこわばって硬直してしまぅんだ。
今でも…完全に手の作業は打ち切りになっていた。
目だけがギョロギョロと兄を追う。
決して見付からない様に…
決して…昔の悪夢を再び起こさない様に…
息を潜める。
生唾を飲み込んだ。