三度目の指づめ
どうして兄にこんな恐怖心を抱くのか…
自問の余地はない。
それは…幼い頃からの…“強制”だった。
『30秒ゲーム』
そぅ、名付けられたゲームは…いつも母親が出掛けてから開幕される。
ルールは簡単…
30秒間の間に兄を射精させること。
手は使わず、口のみで絶頂に至らすこと。
その2つだった。
反則をすれば容赦なく、拳が飛ぶ。
元々、母親からの関心の目さえなくなっていたあたしは頬に痣を作ろうが、切れていようが無関心だった。
切り取られたモノクロの存在…
きっと、兄はそんなあたしを何時からか…『玩具』と見なしたのだろう。
そぅ、使い捨ての…玩具と。