うさぎとウサギ
リアルなウサギ
朝7時に目が覚めた。
いや、自発的に起きたわけではなく、目覚まし時計の音で起こされた。別に起きたくて、起きた訳ではない。学校へ行かなくては、行けないので無理に起きている。毎日学校へ通い、そのための準備を今から30分以内に終わらせる。
 まずは、顔を洗う。次に、着替えて、歯を磨き、髪型をセット、朝食のパンをかじりながら、学校へ行く。
これが毎日の日課。
 多少の時間のずれはあるが大体毎日こんな感じだ。
 だが、今日の朝、起きてみて早速一つ違和感を感じた。いつもと違う。いや、違和感とか以前の問題だ。明らかに違う。

 ウサギがいる。

 ぬいぐるみとかではなく、リアルなウサギである。もちろん、臭う。
 普通の人なら、朝起きてウサギが隣でスヤスヤと寝ていたら、「わー」だの「ぎゃー」だの叫ぶところだが、俺は違う。冷静沈着に考える人間だ。

なぜ、ウサギがいる。
なぜ、俺の部屋にいる。
誰が連れてきた。
 考えてみたが、そんな事はどうでもいいと気付いたので、違和感を感じたと表現してみた。周りの友達に何人か冗談好きもいるが、ここまでするやつは、いない。では、勝手にウサギがこの部屋に入ってきたのか。なぜ。
 いろいろと自問自答してみた。いや、自問のみだ。答えが出ない。
 
 
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