まい ひーろー 【短】
{誰もいないところがいいから…。}
そう言って手招きするその人の後ろをついて歩く。
向かった先は…体育館…?
たしかに誰もいないだろうけど…。
この高校の体育館は校舎から少し距離があって、校舎とは渡り廊下でつながっている。
そのためか、人通りほぼないに等しい。
{さ、はいって?}
そう言われ体育館にはいる。
勝手にはいっていいのかな…?
なんてキョロキョロしていると
{美都ちゃん…。}
その声に振り向くとその先輩は怪しげな笑いをうかべていた。
…なに…?
きもちわるい…!
後ずさるあたしに合わせる様にその人は前進してくる。
『や、なんですか…っ!?』
{美都ちゃんかわいいからさぁ〜、ヤらしてもらおうと思って♪}
にんまり、当然の様にそう言って笑う。
『ヤっ…!?やめてくださいっ!!』
必死で抵抗するものの体格も力も差がありすぎてすぐ捕まえられた。
『やだぁ、やめてよぉっ…!』
こんなやつのために泣きたくないのに、生理的な涙が溢れる。
{泣いてもむだ!こんな校舎と離れてんのに誰も気づかねぇよ。}
そう言ってあたしの顔を掴むと
『んんっ!!?』
男はキスしてきた。