まい ひーろー 【短】
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ネオンの光りばかりが目につく車窓をぼんやり眺める。
あたしも…遊びたいな。
思い出すのは教室で遊びの予定を立ててた同級生。
とは言っても、勉強ばかりしているあたしには特別仲良しな子なんてのはいないけど。
あ、なんか自分で言って悲しくなってきた。
『…はぁ…。』
もう何度めかわからない幸せを逃がした時
…………え?
さわさわとお尻を撫でる、…手?
ゆっくりと這い回るそれにあたしはゾクッと背筋を震わす。
……痴漢!
今までそんなのされたことないし、無縁だと思ってた。
…どうしよう…!
きもちわるい……っ!
そうは思うものの、もし乱暴されたら…、そんな考えが頭をよぎり抵抗できない。
っ…!!
誰か助けてよ…!
そう思って電車内を視線だけで見回してみても、誰も気づいてないのか、助けてくれる気配はない。
そこまで混んでいるわけでもないけど、各々がすっかり自分の世界に入ってしまっているようだった。