まい ひーろー 【短】
今日も窓を開けてサッカー部の練習風景を眺める。
……かっこいいな。
カンカンに照りつける日差しの下。
一生懸命ボールを追いかけて、真剣に走り回るその姿にいつも目を奪われる。
前を見据える先輩の目が好き。
真っ直ぐに夢を追うその瞳はなによりもキラキラで、眩しい。
こうやって、先輩を見てるときが一番幸せ。
先輩の光は、いつだってあたしを照らしてくれてるんだ。
気づけばかなり時間が経っていてサッカー部は休憩にはいっていた。
あは、先輩、すごい勢い。
ゴクゴクと勢いよく水を飲む先輩にクスッと笑いがもれる。
その刹那、ばっちり、先輩と目があってしまった。
あ!やばっ!!
反射的に慌てて俯く。
ああ、もう…!
どうしよう、あたし今絶対真っ赤だ…!!
…ばれた、かな?
…こっそり見てるなんて気持ち悪いって思うかも…。
ううん、ばれてない…よね?
たまたま目があっただけだもん!うん!
グルグルと回る思考のなか、
ひとり、やや強引にそう納得し、勢いよく顔をあげた。
ら、
『…なにしてんの?』
久しぶりに間近で先輩の声を聞いた。