大人になれないファーストラバー
第3章 止まった時間
*
小学3年生の時、家に帰ったらお母さんがいなくて。
いつも食事をするテーブルに置き手紙があった。
『ちょっとお出かけしてきます。おやつここに置いとくね。』
すぐに帰って来るのだと言うことはなんとなく分かったのに。
お母さんがもう二度と帰って来ないんじゃないかって言うほど寂しくなった。
ランドセルをソファに投げ出して、家の外に飛び出した。
「お母さんどこに行ったのっ」って泣き叫びながら、家の前の道を行ったりきたり。
そこに通りかかったのが近所に住んでいる幼なじみの咲之助だった。
咲之助の家は、あたしの家の裏にあって。
あたしの部屋と咲之助の部屋がちょうど向かい合っていた。
「蕾何やってんの?」
サッカーボール片手に近づいてくる咲之助。
「お母さんがいないのっ」
訴えるようにそう言って、あたしは咲之助に掴みかかった。
「え? お母さん家出したの?」
そしたら咲之助はまるで自分のことのように悲しそうに聞いてきた。
小学3年生の時、家に帰ったらお母さんがいなくて。
いつも食事をするテーブルに置き手紙があった。
『ちょっとお出かけしてきます。おやつここに置いとくね。』
すぐに帰って来るのだと言うことはなんとなく分かったのに。
お母さんがもう二度と帰って来ないんじゃないかって言うほど寂しくなった。
ランドセルをソファに投げ出して、家の外に飛び出した。
「お母さんどこに行ったのっ」って泣き叫びながら、家の前の道を行ったりきたり。
そこに通りかかったのが近所に住んでいる幼なじみの咲之助だった。
咲之助の家は、あたしの家の裏にあって。
あたしの部屋と咲之助の部屋がちょうど向かい合っていた。
「蕾何やってんの?」
サッカーボール片手に近づいてくる咲之助。
「お母さんがいないのっ」
訴えるようにそう言って、あたしは咲之助に掴みかかった。
「え? お母さん家出したの?」
そしたら咲之助はまるで自分のことのように悲しそうに聞いてきた。