大人になれないファーストラバー
第4章 オトナ/咲之助
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背中の肩胛骨から肩にかけてある火傷の跡。
もしかして。この烙印のような傷跡のせいで俺から離れて行ったのか?
俺に再び傷を負わせるのを恐れて、暗い夜に一人、飛び出して行ったのか?
あの海の旅行から2日が経った今日。
学校を無断欠席したことで、ここ2日間ひどく怒られ続けた。
葉山のおじさんには警察上部の知り合いがいて。
蕾がいなくなったことを葉山に連絡すると、警察は精力を上げて蕾を捜索してくれた。
その甲斐あって、蕾は翌日の夜には発見されたのだった。
おばさんにこのことを電話で話すと、すかさず居場所を聞き出され、俺と阿宮と観月は強制的に帰宅させられた。
俺たちより少し遅れて家に送られた蕾。
今すぐ直接顔を見て、なんでこんなことをしたのか、と聞き出したいのだけれど。
俺と蕾の親が話し合って、"しばらくは会わせない方がいい"となったらしく、俺は蕾の家に上げてもらえなくなった。