大人になれないファーストラバー


「要するに何が言いたい」


と聞くと、葉山はニカッと笑い。



「二人の親友として言わせてもらいたいんだけどもっ」




二人…

俺と蕾のことだろうか。


葉山といつから親友になったんだ。というか蕾に関しては一回も話したことないだろうに。



と。ツッコミたいことはいろいろあったが、黙って聞いていることにする。





「君たちはやっぱり一緒にいるべきなんだよ」




「てゆうかいて欲しいっ」と、ぎゅっと目を瞑って付け加える葉山。




まったく、真剣なんだかふざけてるんだか。心の奥底が読めない親友(仮)だなと思う。





「だって奇跡みたいなもんじゃないかっ 同じ時間同じ日に生まれて、家も近くて、今の今までずっと一緒でっ だからっ」



葉山は途中で口を閉じた。


< 216 / 423 >

この作品をシェア

pagetop