プリンス君家の7日間
五章 涼の存在
「普通、驚かない?あたしの存在を覚えていて、久しぶりに会ったら人間から猫になるなんて……。」
あたしだって、好きで猫になったんじゃないけどさ、やっぱ覚えているなら驚いてほしいよ。
じゃなきゃ、何か
『明日香』って存在が無くなりそうだもん。
「…ねぇ、聞いてんの?」
さっきから黒猫は黙りを決め込んで、一言も喋らない。