あの暑い 夏の記憶
「なぁ~…?」


「…へ?」


「毎日…あ~なわけ…?あの2人…?」


「…あー…。そうだよ?」


「…何で…毎日…お泊りに来るわけ?」


「…ん?バイトくんたちに…ご飯食べられて…寝床取られたって…」


「あそこはたくさん部屋余ってるだろ~がっ!」


「だって、…2人でいつも…お酒飲むもん…」


「…毎日か…!?」


「…うん…。そうだよっ…」


「…そうだよ、って…。…あれじゃ~っ、…夫婦にしか見えないっ!!…アッハハッ!その顔やめろっ!」


「…ご飯粒!…飛んでるっ!汚いっ!」


「心音がアホみたいな顔するからだろ~がっ!」


「日夏が勝手に笑ったんでしょやー」


わたしたちは顔を近付け、ヒソヒソと葵ねぇたちに気づかれないように内緒話をしていた…。


…ご飯粒を飛ばしてくるまでは。



「…食べたのー?」

土間から葵ねぇが大きな声を出したから、焦ってこう答える。


「ま、まだっー!」


「あ、葵ねぇの卵焼きサイコー!」
 
 
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