あの暑い 夏の記憶
「…葵ねぇ?その細いやつで、手首に巻くやつ作れんの?」
日夏は、顔を歪めながら葵ねぇに聞いた。
「できるよー?」
「マジか!?じゃオレこれができたら、つ~くろ!」
「わたしも作る!」
それを聞いたわたしも、手を挙げた。
簡単な模様の、型が崩れたミサンガが出来上がる。
わたしは出来上がった物を、葵ねぇの手首に結んだ。
「…へ?」
大きく目を開いてびっくりしていた。
「…明後日、連れて行ってくれるからお礼だよ!」
「…そ、そっか…。わかった!ずっと付けてる!」
「…ヘヘッ」
それを見た旭は、頬っぺを赤くした。
「…準ちゃんにあげるよ!勉強教えてもらってるから」
「じゃあ…、これ旭ちゃんにあげる」
「い、いいの!?」
「うん、いいよ!」
と、準くんは旭の小さな腕に付けてあげた。
耳まで赤くして、照れ笑いをする旭は一段とかわいかった。