あの暑い 夏の記憶
草と土の匂いに囲まれた、2階建ての木造校舎。
これがわたしたちの通う小学校!
全校生徒が18人と小数だから使うのは1階のみ、2階は立入禁止なんだ。
1年生から3年生の7人が1組。
4年生から6年生の11人が2組で授業をする。
だから先生は校長先生と養護の先生を合わせても4人だけ。
給食なんてものはもちろんなくて、各々お弁当持参。
お昼は揃って同じ教室で“いただきます”。
体育の授業もみんなで合同。
葵ねぇはよく『ボロ学校』ってバカにするけど。
確かに、町の立派な学校は給食があって、プールもあってうらやましいし、通ってみたい!
そんなコンクリート造りの3階建ての学校とは大違いだけど、わたしはこのボロボロ校舎も好きなんだ。
昔はたくさん生徒も先生もいて、もっと騒がしい学校だったって先生は言ってた。
ここの町民はみーんな、この小学校に通ってたって。
でも今は、しーんと静まり返って寂しい学校だと思う。