あの暑い 夏の記憶
「やらないっ!!旭はきっと真剣だもん!!」
キッと唇を突き出すわたしに食ってかかる。
「さては…負けを認めたな~っ!?」
「違う!!旭は大丈夫だもん!!何でそんな意地悪言うの!!」
「…だってよ~っ。小5のガキと高1の大人じゃ~っ…釣り合わないべ。どう見ても無理あんじゃんかよ…。オレが小1を相手にしてんのと一緒だぜ~っ!?…旭は泣くべな~…」
雨のカーテンに覆われた2人の影を、目で追いかけながら言うから。
真剣だよね…きっと。
がんばってね…。
旭の泣き顔は…見たくないな…。
旭は“恋”を知ってるのかな…。
日夏に邪魔はさせないからね!!
わたしはまた、日夏に視線を移し、キッと突き刺した。
「…行くよ!!」
「何なんだよっ!!心音…葵ねぇに似て来たぜ~っ!おっかね~っ…」
日夏はブツクサ言いながら、わたしの後を追いかけて来る。
…旭!
絶対…邪魔させないからね!!