あの暑い 夏の記憶
わたしもオレンジジュースに手を付け、カラカラに渇いた喉を潤す。
ふいにシーンとなる日夏を見ると、葵ねぇと直さんを交互にいつもよりも激しく睨んでいた。
「日夏?そろそろ行こうよー」
「あ~、…もうちょっといる。何か、…バテたっぽい」
と、目を泳がせる。
嘘だ!
日夏が嘘をつくときは、目がキョロキョロするもん!
きっと、葵ねぇが気になるんだ。
そう思ったわたしは、動き出そうとしない日夏を置いて一人で外に飛び出した。
「あー!耕にぃだーっ」
農道を走り抜けて行く2号を見つけ、両手を振り上げた。
のに、耕にぃは気付かなかったのか、クラクションを鳴らすことなく走り去って行った。
とうきび畑から帰ってきた旭ママと、入れ違いで日夏が飛び出して来た。
「心音~っ!!旭の母さんにバトンタッチしてきたから行こ~ぜ!」
バテた。と、言っていた日夏が走って来た。
そんなに葵ねぇたちを気にする日夏も変だった。
けど…。