あの暑い 夏の記憶
それから2日。
出かける準備をする旭ママ。
「あーちゃん。悪いんだけど、今日修理代請求に人が来るの、お願いしていい?20万、ここ入れて置くから。じゃあ出かけるから留守お願いね」
旭ママは戸棚の引き出しに茶封筒を入れた。
それを確認した葵ねぇは。
「はい、わかりました。気をつけて」
今日はいつになく怖い顔をして小屋から離れようとしない日夏。
わたしは痺れを切らし、一人で牧草地に乗り込んだ。
「あ、心音!んじゃわたしこっちからやるから、心音はあっちね!」
「わかったー!」
端っこに散らばったわたしたちは、順々に刈り取られた牧草の奥をひっくり返し、太陽の陽に晒させる。
隣の牧草地には、旭パパと準くんが同じ作業をしていた。