あの暑い 夏の記憶
葵ねぇはちょっと不信そうに考えた後に、みるみる顔色を変えた。
「…ある…」
と、真っ赤になって俯き答えた。
「あらっ!!やだーっ!いつの間に!?こうはしちゃいらんないわっ!電話!電話っ」
耕にぃが慌ててポケットから携帯電話を取り出した耕にぃママを止めた。
「や…母さんっ!今はいいからっ!!」
耕にぃも同じように、真っ赤なトマトみたいな顔をしていた。
「…?」
「何だろ…?」
「さぁ~?」
わたしたちはまた、顔を見合わせ、不思議そうな顔をする。
準くんが笑いながら。
「何だか…、おめでたいみたいだよ?」
と、慌てふためいている大人たちを見た。