あの暑い 夏の記憶
「…本当は…わたしっ…!…日夏がいなくなったら…寂しいっ…!!…約束だって…したのにっ!日夏がいないなら…意味ないもん…やっぱり…寂しいっ」
「…心音?…泣き虫は変わんね~んだな。ちっちぇ~頃から泣いてばっかでよ~、よく葵ねぇに怒られたんだよな。…ってオレが泣かしたのか…。って今もオレのせいか?」
「…ふふっ、わけわかんない…何言ってんの…?」
「…泣くか笑うかどっちかにしろよな~っ」
「泣いてないもんっ!」
「…約束は守るよ…っていうか…守ってもらうぜ!みんながいなかったら…約束守れね~からなっ!」
「…へ?」
見上げると、微笑んでいる日夏と目が合わさった。
「オレさ~…こっちの農業高校受ける…絶対にっ!だからっ…入学する年の4月1日に小学校で待ってるから…。心音…?だから…来て…欲しいんだ」
見せた笑顔は、さっきのとは違って気恥ずかしそうだった。