あの暑い 夏の記憶
海で1度目に交わした約束は、大人になるまで待ってるから。
あの時のピンクの貝殻は、わたしの宝箱入れに大事に閉まってあるよ。
切れちゃった、黒い革の鎖と一緒に…。
手に取って開いた、表紙が赤いアルバム。
一緒に…札幌に行ったあの夏。
テレビ塔から見える景色は、あの夏の記憶と変わらない。
交わした約束は、冬に雪まつりに行こうって。
あの夏に、来年も花火見に行こうって約束も…。
日夏がいないから、まだあの約束は守られてないよ。
だって、日夏が保留って言ったから。
だから…。
あの夏の記憶を蘇らせて。
葵ねぇと耕にぃがいて、穏空に大翔が増えたけど。
あの夏から、一人ぼっちで。
…寂しいよ。
あの海で、最後の日の。
2度目の約束を果たしに…。