あの暑い 夏の記憶
見てはいけないものを見てしまったんじゃないかと思ったその時。
とうきびの根っこと根っこの間に座り込んでいた日夏が、いきなり立ち上がり2人の前に出て行った。
…日夏のバカー!
盗み聞きしてたのバレちゃうじゃん!!
わたしが行こうとするのを止めた本人が出て行ってしまった。
「やらしぃ~んだ~耕にぃ!」
ニヤニヤして現れた日夏に、耕にぃは唖然としていたけど…。
葵ねぇはというと……。
日夏…っ、耕にぃの顔に指を差すんじゃないよー!
ほら…葵ねぇ…目が恐いよー!
「…心音は?一緒にいるんでしょ?」
葵ねぇには何もかもお見通しだ。
わたしは渋々と、とうきびの間から顔を出した。
「耕にぃ!家に連れ込んで何する気だ!?」
「日夏…。お前の想像とは違ってごめんな。そこは普通…看病だろ?」
そりゃそうだよね…。
日夏はそれを聞いて、残念がっていた。
…しつこいくらいに。
「心音、今日は日夏ん家に泊まりな!帰ったら荷物準備して。いい?わかった!?」
「はーい。葵ねぇは?」