あの暑い 夏の記憶
 
教室に入るなり即刻自分の席に着き、わたしと日夏は旭のノートを写すのに必死になっていた。


「あ~、今日の弁当何かな~?魚は飽きたから肉がいいな~」


「えー?」

まだ1時間目も始まってないのにもうお弁当の中身が気になるらしい日夏。


「まだ早いって!それに日夏パパの魚おいしいよ!」


「うぇ~!オレは肉がいい~!!肉ぅ~!肉、肉ぅ~…腹減ったな~」


「ばっかじゃないの?にっちは頭悪いんだから魚食べときな!」


「魚…、旭に全部やるよ…。父さんももう釣ってくんじゃねぇ!」


「…う~。中身の確認だい!」

ガザゴソとお弁当を取り出し、包みを開けようとする。


「日夏…もう宿題写し終わったの?」


「…まだだい!」

 
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