あの暑い 夏の記憶
日夏はまたガザゴソとお弁当をしまい直し、ノートを睨む。
「仕方ない…。まずこれから片付けっか…」
諦めたかのように、鉛筆を動かすスピードはとても遅い…。
だから…。
「日夏。…何やってんだ?」
「…げっ、…先生…!おはよ!…アハハ…っ」
笑ってごまかそうとしているけど、バレバレ。
「お前はまたか!たまには人の写さんで自分で解いてみろよ。今日の宿題、日夏だけ特別増やすぞー!」
「えぇ~!!そ…、そんな~!オレ弁当諦めたのに~っ!!」
「弁当と宿題何か関係あんのか?わからんこと言ってないでそれしまえよ!」
机に広げられたノートを指して、先生は変な顔をする。
「先生っ!心音も写してたって!」
ちょっと、日夏のバカッ!
そんなこと言うから先生わたしのことじっと見てるっしょやっ。