あの暑い 夏の記憶
 
「…心音はきちんと1時間目の授業の用意して偉いなー」


「そんな~!ずりぃよ~!」

情けない声を出して、ムキになる日夏を知らんぷりして、先生は教壇へと歩いて行く。


「お前…!覚えてろよ!」

わたしの隣で日夏が、恨めしそうにコソコソと耳打ちしてくる。


「日夏っ!うるさいぞ!」


再び先生に注意され、情けない声で…。

「女子はいいよな!」


「バーカ」

前を向いたまま、わたしは小さな声で呟いた。


「み、心音、お…オレはバカじゃねぇやい!」


ほら…、またいちいち声が大きいから。

「うるさいぞ日夏!宿題増やすぞ!」


「…ごめんなさい」

ここでさすがの日夏も謝るしかない。


すっかり大人しくなったけど、わたしを睨んでいるのはよくわかった。



これがわたしの騒々しい…いつもの朝。

 
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