砂漠の月歌 〜dream story〜
プロローグ
あの日交わした遠い昔の幼い記憶…。
夕焼けに背を向けて湖の前に佇んでいる二人の少年と少女。
『遠いところにいっちゃうの?』
『うん…
お父さんとお母さんがね、
そう決めちゃったの…』
少女が泣きそうな顔をして言う。少年もまた、泣くのを我慢しながら、元気にこう言った。
『じゃあ…約束しよう?
ぼくが大きくなったら、君のことを
見つけにいくよ!!』
『約束…?』
『そう、約束!!』
そう言って少年は、目をごしごし擦りながら、泣くのを我慢している少女の小指を少し強引に結ぶ。
『ゆ〜びき〜りげ〜んまん嘘ついたら…』
少年は力強く言う。
『ぼく…絶対
また見つけるからね!!君のこと』
そして少女も、まだ目に涙を溜めながらも少しだけ笑顔になった。
『うん。
わたしもがんばって見つけるよ…
あなたがどこにいても』
『うんっ!!』
『じゃあ…』
『『“約束”だね』』
それは遠い昔、二人の小さな少年と少女が湖で交わした約束だった━━━……。