砂漠の月歌 〜dream story〜

03 暇





 一方王子はというと、内廷のラウンジで一休みしていた。



(……暇、だな…)


今日が自分の誕生日で舞踏会の準備がある為、誰もこのフロアにはいない。



(やはり
使用人達の仕事手伝うべきだったか…?

……いや、さっきみたいに
遠慮されるだろうな…俺が王子だから…。)


今日の主役である王子は何もする事がないので、仕方なくまたソファーに座りながら窓辺から街の様子を伺う。



(………。)


……そうする事、約10分経過。

次第に王子の眉間にしわが寄ってくる。



「………。駄目だな」


一瞬頭に執事の言葉が過ぎったが、諦めたように溜め息をつくと、一人笑みを浮かべた。



「悪く思うなよ…」


そう言って呟いた後、王子は窓に手を掛け、身を乗り出した。




━━━現在の時刻、午前11:00…。
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