砂漠の月歌 〜dream story〜
07 復讐
「駄目、待って…!!!!」
引き金を引かせまいと、娘は声を荒げる。
「……何で…
何で、そんな簡単に人が殺せるの…?」
「……君には関係ない。
何なら、君から先に片付けてもいいんだよ」
そう言って銃の向きを娘に変える。
「やめろ!!その人には手を出すなっ…!!」
咄嗟に王子は叫ぶが、ロゼオは聞く耳を持たない。
「死ぬんだよ…?どんなに後悔しても…、
どんなに手を延ばしても、もう声も届かない
遠い空に逝ってしまう…」
ギュッ…ときつく拳を握り締め、娘は続ける。
「関係なくなんかない…
両親が死んだ悲しみなら、
私にだって分かるからっ…!!」
娘は強い口調でそう叫んだ。
その瞬間、王子はあの夜の事を思い出す。
あの夜娘は確かに言った。
『小さい頃、両親が死んじゃって…、
親戚の人に引き取られて
隣の野の国に引っ越したんだ…。』
きっと誰よりも親が死んだ悲しみと、王子の気持ちを理解していたのだから…。
「君、もしかして…」