砂漠の月歌 〜dream story〜




(でも…、)


娘は気づいてしまった。

湖で約束をした事を、彼はもうとっくに果たしている。



「……そっか…。」


その彼が、約束を破る訳がない。

だから娘は笑って、王子の額にそっと触れるだけのキスを落とした。



「…!!」


目を真ん丸にして驚く王子に、娘は何も言わない。

だから娘はもう一度、頬を染めながら微笑んだ。



「今のは…、最高のサービスだな…。」


王子も吊られて笑った。
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