砂漠の月歌 〜dream story〜
「糞っ…!!」
思ってもいなかった自分の失態に舌打ちをする。
ロゼオは後退りをするが、ドンッ!!と背中に柱がぶつかる。
「……もう終わりにしよう、ロゼオ」
剣を片手に、王子はロゼオに歩み寄る。
「黙れ…、まだ終わってないよ…
おい小娘!!僕が憎くないのか…!?
君の両親を殺したんだぞっ!?
憎いなら僕を殺せよ、さっきのようにっ…
そうすれば大臣の
僕を殺した罪で、君も道連れだがねっ…!!」
この後に及んで娘まで挑発して、感情を乱そうとする。
「……殺さないよ…。
私はもう、受け入れる覚悟があるから…」
そう言って、一瞬王子に目を向ける。
娘はもう、何も迷ってはいなかった。
「な…何でだっ…」
「お前には、分からないだろな…」
自分を憎くんでいても、尚踏み止まる娘の心をロゼオは全く理解出来なかった。
「俺だって、
本当はお前が憎くくて仕方ない…
父である国王を殺したんだからな」
「なら、何でっ…」