砂漠の月歌 〜dream story〜
何処となく複雑そうな顔をする魚屋だが、次の瞬間思い付いたように言う。
「なら、これはどうだっ?
今日、日が沈むと同時に
宮殿で舞踏会が開かれるんだぜ」
“舞踏会”という初めて聞いた言葉に娘は目を丸くした。
「舞踏会…?」
「おうよっ!!
街の奴等も皆自由に参加出来るんだ。
美味いモン食べたり飲んだりって…
香澄ちゃんも勿論参加すんだろ?」
「うん…。まだ考え中、かな…」
行くかどうか聞かれると、困ったように娘は笑った。