砂漠の月歌 〜dream story〜




……その時、宮殿内部の正面の階段から騒ぎを聞き付けてもう一人下りてきた。



「何だい騒がしいね…
不法侵入者でもいたのかい?」


現れたのは、メイド達の服とは違った紺の着物風の服装の美人な女だった。



「「「「「姐御様っ!!!」」」」」


存在に気付きメイド達は慌てて頭を下げた。

どうやらこの宮殿のメイド達の上に立つ使用人頭らしい。メイド達は姐御と呼んでいるようだ。



「その逆だって!!
また宮殿から脱走したんだよ、王子がっ」


執事も姐御の存在に気付き、事情を説明する。

だが、姐御は平然としていた。



「そんなのいつもの事だろ。
大体、お前が毎度毎度目を離すからだろ?
ちょっとは反省しろっ」



「酷っ!?俺に
舞踏会のチラシ作れって命じたのお前だろっ」


涙目で言い返す執事を余所に、遠くでメイド達は眺める。



「また始まっちゃいましたね…」



「仕方ないわよ。宮殿内で
国王と王子の次に権力があるんだもの…」



「いや、最近じゃ王子も
頭が上がらなくなってるらしいですわ…」


構成:国王→王子→?姐御→執事→メイド達etc…
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