砂漠の月歌 〜dream story〜
そのまま星空を見上げて、独り言のように呟く。
「なんだか此処…昔、来た気がするなぁ…」
何故だかこの湖が懐かしいと、そんな風に思えた。
(……街にはいなかったな、王子…
何処にいるんだろう…。貴方は、今…)
ふ…と、夜空に浮かぶ満月が王子を思い立たせる。
舞踏会で出会った時のあの横顔が、満月と重なって見えた。
「━━━何処にいるの…?」
誰に言う訳でもなく、ただ夜空を見上げて呟く。
星は何も、答えてはくれなかった…。