砂漠の月歌 〜dream story〜
同時に一気に体の力が抜け、ドサッ…と弱々しくソファーに座り込む。
「何だ、それ…何だよ…それっ…」
同時に悔しさが込み上げてくる。
「名前も知らねー…
何処の誰かも分からねー…
そんな奴等どうやって見つけんだよっ…」
国王を殺した奴等が街に潜んでいる事が分かっていながら、何の情報も掴めない。
「今攻め込まれたらっ…終わりじゃんか…」
何も出来ない自分が、無力な人間に感じる。
「……絶望じゃねーか…」
執事は震える手で頭を抑えながら、消え入りそうな弱々しい声で、そう呟いた。
今はもう、何も成す術がないのだから…。