砂漠の月歌 〜dream story〜
「だが王子…、宮殿に乗り込まれた時に
敵の顔は知ってるとして、私等は今だ
敵が何者か知らないんだぞ?」
「た、確かに…」
姐御の言う事は最もだった。
正体すら分かってない奴等を相手にするなど、極めて危険だ。
王子はそんな執事達に呆れるように溜め息をつく。
「……国王暗殺計画の
主犯の名は、“ロゼオ=ダ・カーポ”…。
表向きは隣の野の国の大臣で、
本業は暗殺部隊の幹部、
ライトグリーンの長髪が特徴的…」
胸元から取り出した一枚の写真を執事達に見せながらつらつらと情報を述べる。
「なっ…」
一方執事達は目玉が飛び出る程に驚いていた。
「王子、何処でそれ知ったんだいっ…?」
何故自分達ですら掴めなかった敵の情報を掴んでいるのか…。
「姐御、お前がいながら
この程度の情報も掴めないとは情けない…」
「いやいやいや王子っ!!
街中の情報屋探しても
んな情報手に入らなかったんだぜ…?
一体何処で入手したんだよっ!?」