砂漠の月歌 〜dream story〜
王子は再び呆れた口調で言う。
「馬鹿が…街中の
情報屋が口止めされていただけだろうが…。
俺は手っ取り早く
近くの情報屋脅しに回っただけだ。
俺は強いからな」
確かに王子は、武道の英才教育も受けていた。
「な、成る程な…そういう事かよ…。」
美形である見た目からは想像がつかない程の天才的な身軽さ、握力を持ち合わしているかなりの実力者だ。
「感謝しろ。
王子の俺が直々に動いたんだからな…」
故にうっかりその場面を想像してしまった執事。
「まぁ、後は殆ど買収して絞めたんだが…
少し可哀相だったか?
金は要らないと言われた…」
すまなそうな顔はしているものの、恐らく相当恐かっただろうにと、街中の情報屋に同情する。
「……で、王子はどうするんだい」
咳払いをして、姐御は話を本題に戻す。
それを聞かれ、王子は少し間を置いてから答えた。
「あぁ…俺は、此処に残る」
まさか王子が宮殿に残るというなんて思いもしなかった。
「は!?」
当然執事や姐御、メイド達まで反論し始める。