ブラック
親友が死んだ。
その事実が自分の肩に重くのしかかる。
敵が恐い。
でも、何か口に含まないと死んでしまう。
もう6日は何も口に含んでいない。
腹が減りすぎて、もう腹が減っている感覚が分からない。
口に何か含まないと……。
……!
たまたま近くに髪の毛が何本か落ちているのに気づいた。
あれだ。
あれで腹を膨らませよう。
落ちている髪の毛をつかみ、口に運んだ。
味なんて分からない。
ただ、生きるために食べた――…。
俺は必死に生きようとした。