未完成人一家
父(相沢 弘樹)と母(万里子)は大学時代に知り合った。
その後、何年かの交際期間があり、結婚した。
結婚式などはしていない。二人の写真など、見たこともない。
万里子は弘樹と交際中、二股をかけていた本命の彼氏がいたが
結婚条件的には優位であった弘樹を選んだのだ。
食えない小説家よりも、公務員である弘樹の方が結婚には相応しいと。
親の言うことばかり聞き、レールを外したことなどなかった万里子は愛よりも安全を優先した。
とまぁ、ここまではよくある話し。
ヤボなことを言うつもりはない。
今とは時代が違うのだ。
女が打算的になるのもわからなくはない。