未完成人一家
『みゃぉぅ!!みゃぉぉ!! ・・・』
発情期のペケは生理現象によって、つんざくような声を上げて庭で鳴き続けた。
飼い主が避妊手術をしていないのだから、仕方のないことだった。
それなのに・・・ペケのお腹を蹴り飛ばす父親・・・
ボカッ ドカッ
『んギャーォっっ 』
「うるせーんだよっ 馬鹿猫がぁっっ」
父は、逃げるペケを恐ろしい形相で金属バットを振り回しながら追い掛け回し、殴り、蹴飛ばし続けたていた・・・。
『やめて!! やめてください、お父さん、お願いしますっ』
ペケの上に覆いかぶさった香代子も一緒に殴られた。
『ごめんなさい、ごめんなさい・・・やめてください、お願いしますから・・』
額から血を流しながら、香代子は父親に土下座をして頼んだ。