未完成人一家
変貌
姉妹は中学生になった。
真奈美は三年生。
元の痩せた身体に戻った長女は、その美貌故、かなり異性にモテたようだが興味などなさそうだ。
部活にも入らず、ただ黙々と、何かに取り憑かれたかのように勉強ばかりしていた。
成績は常にトップだ。
希望する高校は、県内でも有名な進学校。
担任の話しだと、恐らく特待生として迎えられるだろうとのことだ。
両親は鼻が高かった。
一方の香代子はというと、意外にも成績が良かった。
勿論、トップではないものの、全く期待できなかった香代子なのだ。
学年180人の中の13位というのは両親を驚かせた。
その上香代子は学問以外の活躍が素晴らしかった。
作文や絵画、書道では県で表彰され、
陸上の代表に選ばれては結果を出していた。