未完成人一家

真奈美の過食嘔吐は、次第に悪化していった。

毎日コンビニで大量の食料を買い込み、部屋に篭り続ける。

部屋からは異様な臭い・・・

弘樹は万里子を叱り付けた。

『俺の働いた金で大学に行きながら、アイツは何を無駄遣いして馬鹿なことをしてるんだ?

そんなことをするなら今後の学費を払わないと言っておけよ。』

万里子は何も言えない。

弘樹にも、真奈美にも、何も言えないのは今始まったことではないのだ。

『私が・・・ 真奈美の学費は私が払います。 だから・・・
もう少し様子を見ませんか?』

意外な提案に、弘樹は気を良くした。

『お母さんは稼ぎがいいからな。 頼むよ・・・

俺だって、大変なんだ。 』




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