未完成人一家
真奈美は幼い頃から自分の性格で生きていた。
頑固であり、プライドの高さが彼女の人格を守ったのだ。
この両親の元で少し、心の怪我をしただけで済んだのは幸いだったのかもしれない。
また暴力を見てきながらも自身は受けなかったことがよかった。
暴力を受けることに対しての正常な恐怖心を失わずにいられたこと、これは、真奈美が雅也のような優しい男を好きになれた大きな理由かもしれない。
弘樹のような暴君な親に育てられ、嫌悪感を抱いてきたのなら、〔黙って俺についてこい!というような昭和の日本男児〕を選んだりはしないものなのだ。
普通であればの話しだが。