未完成人一家
永遠のループ
真奈美は雅也と結婚し、やがて妊娠すると、極端に生活は変わった。
過食嘔吐などしていられない、厳しい現実が、彼女をそこについては成長させた。
無事に長男を出産すると、あまりに可愛く誕生した赤ん坊に、夫婦揃って夢中になった。
そして真奈美の潔癖は加速していく。
一度腕を通したシャツやスーツなどはクリーニングに出すのは当たり前、一度使ったバスタオル、バスマットの類いも全て洗濯機に入れる。
一日に洗濯機を回すのは、少なくとも三回。
そこら中の埃や菌が気になって仕方ないと言う。
自分がきちんと見てもらえなかった、愛されてなかったという悔しさをぶつけるかの如く、育児に取り憑かれている。
どこまでやっても完璧とは認められないもどかしい世界ではいずり回る日々・・・
夫である雅也も、仕事に疲れて帰宅すれば、まずは手洗いとうがい、全身の消毒をしてからの着替えを余儀なくさせられ、次第に耐え切れなくなっていく・・・・。
そんな中、二人目の妊娠が発覚する。