未完成人一家
香代子は出会って間もない男と意気投合したらしく、結婚してしまう。
肩書きのある、見るからに爽やかな青年との結婚・・・
香代子は言った。
(ちょうど仕事に疲れていて、そんな時に会社を経営する夫と出会い、生活の安定を考えて結婚を決めた。 )
相手は弘樹など足元にも及ばないほどの人格異常者だった。
あらゆる意味で香代子を束縛し、気に入らないと暴れ狂い、逃げると自殺未遂を繰り返すと言う。
次第に経営する会社も上手くいかなくなり、香代子が一人で働いて、寝たきりの夫を養うはめになっていった。