真愛-シンアイ-
携帯なんか無くても私は全然困らない。連絡したい相手もいないし連絡する相手もいない。
時計のない部屋に毎日いたら時間感覚とか狂うんだろうな…などと考えながらいつの間にか4本目のタバコに火を点けていた。
つまらない…。
一体輝はいつになったら来るんだろう??
ガチャ…
不意に部屋の扉が開いた。
「輝」
「暇だったでしょ?」
「うん。かなり。時計ないし…」
「あ-…昨日壊れたから今修理出してるんだわ」
「そうなんだ。今何時?」
「3時。俺もう上がったから帰ろ」
ここに来てからなんだかんだ3時間経ってたんだ…。
「帰るって何処に?」
「俺の話聞いてた?居場所作ってやるって言っただろ?とりあえず俺ん家行くよ」
「うん」