真愛-シンアイ-
私は必死で走った。
いつかはこうなるって分かってた…。
分かってたはずなのに…。
私の目からは涙が流れていた。
自業自得──。
「待って!!」
私は突然誰かに腕を捕まれた。
「いやっ…離して!」
私は捕まれた腕を振り払おうとした。
「大丈夫!さっきの奴じゃないよ」
確かに声がさっきのナンパ男と全然違う。
この人の声はなんだか落ち着く…
私は恐る恐る振り返った。
そこに立っていたのは綺麗な茶髪のスーツを着た男の人だった。
私は一目であぁ…この人はホストなんだと悟った。