【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙⑤〜
「西の対から眺める紅葉は、なおいっそうに赤々と、あなたをお誘い申し上げるでしょうな。二の若君」

若者が振り向いて、このようにおっしゃるころには、西の対の巡りに、侍女のかしづく様がすぐそばに見えるのでした。

「ようこそおいでいただきました。若君方におかせられましては、お久しゅうございます」
< 5 / 30 >

この作品をシェア

pagetop