†Devil Kiss†
「ユハ、ユハ!!」



ローズはユハの傍に寄り添い、ユハを助け起こした。



「ユハ、しっかりして!ユハ!!」



ぐったりしたユハを胸に抱き、頭を抱きしめるローズ。



あたしと別れてから、休まず、走っていたの?


あれからずっと?


ユハ


お願い、目を開けて


あなたはこんなことじゃ


死なないでしょ?


お願い、あたしを


置いていかないで・・・・




その思いが通じたのか、ユハはゆっくりと目を開けた。



「ローズ・・・」


「ユハ!」



だが、ローズが喜んだのもつかの間。



ユハはローズを突き飛ばしたのだ。




「う"っ!・・・ユ、ユハ?」



壁に背中をぶつけ、うづくまるローズ。



そのローズと、フラフラになりながらもゆっくりと距離を縮めるユハ。



そして、ローズの胸ぐらを掴み、持ち上げるユハ。



「ぐっ・・・あ・・・ユ、ユハ・・・何を?」



ユハの瞳は、今まで見たこともない程冷たく、ローズは泣きたくなった。



「お前は、俺を置いていなくなった。俺がどれだけ、淋しかったか。会いたかったか。わかるか?」


「ユハ・・・やめて・・・・・お願い・・・元に・・・戻ってよ・・・・・」



ローズの悲痛な叫びも虚しく、ユハはそのまま胸ぐらから首に手をずらした。



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