†Devil Kiss†

ローズが薄れゆく意識の中で、見たユハは



大粒の涙を流し、泣いている姿だった。



ユハ・・・・?







(やめろ。

ローズを苦しめるな。

ローズを殺すなんて・・・

バカな真似はやめろ!

ローズがいなくなったら
俺は生きていけない。

何のためにここまでやってきたんだ!?


誰か、ここから出してくれ!!

ローズ、今助けてやるから・・・

ローズ・・・・・・)




ユハは頭を抱え、うめき声をあげながらふらつき始めた。



「はぁ・・・はぁ・・・ユハ?」



今にも、気を失いそうなローズは何とか、ユハの名前を呼ぶ。



「ユハ!・・・ユハ・・・ユハ!!」



お願い、元に戻って。



ローズも泣きながら、必死に願った。




(声が聞こえる。

あぁ、ローズの声だ。

待っててくれ。

今、そっちに行くから!)



「う"・・・あ"ああぁぁぁ!!」




大きな叫び声とともに、ユハはその場に倒れた。



「ユハ!?・・・・はっ・・・」




傍に行きたかったが、ローズも力尽き、気を失った。








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