†Devil Kiss†

悪魔

温かい感触を唇に感じる。



ユハ


ユハなの?




ローズは目をゆっくりと開ける。



目の前には






「ユハ・・・・・」





ユハが、ホッとしたような顔でローズを見ていた。




「ローズ・・・・・・・」



そう呟くと、ユハは優しくローズを抱きしめた。




耳に聞こえる吐息は、ずっと



ごめん


ごめん



と呟いていた。




あぁ、やっと元に戻ってくれたんだ。




そう思うと、安心とともに、謝るユハを愛しく思う気持ちが強くなり、ローズはユハの頭に手を乗せた。



そして、頭を撫でると



ん・・・・・・?



指に何か当たった気がした。



その瞬間、ユハも体を固くした。




よく見てみると、それは





「角?」



小さく尖った形をしたものが、生えていた。




その時、ローズの頭のなかに、アリスの言葉が浮かんだ。








《あたし達は悪魔なの》






「ユハ、悪魔に戻ったのね・・・・」




< 122 / 149 >

この作品をシェア

pagetop